サブ4するための『モノ・カラダ・プラン』カラダ編(リカバリー力、バランス力、コンディショニング力)

サブ4するための『モノ・カラダ・プラン』カラダ編(リカバリー力、バランス力、コンディショニング力)

サブ4を達成するための『モノ・カラダ・プラン』モノ編(シューズ選び) 読む サブ4するための『モノ・カラダ・プラン』カラダ編(リカバリー力、バランス力、コンディショニング力) 1 分 サブ4達成のための効率的なトレーニング

サブ4するための『モノ・カラダ・プラン』カラダ編(リカバリー力、バランス力、コンディショニング力)

2018.07.31(最終更新:2023.08.22)

トップランナーのトレーニングパートナーとしての経験もあり、市民ランナーに長きに渡って指導経験もある白方健一さんに「サブ4」をテーマにお話をお聞きするシリーズの2回目はカラダ編です。

前回はサブ4するための『モノ・カラダ・プラン』の考え方と、「モノ編」としてシューズにまつわるお話でした。さて、今回の『カラダ編』とは?

 

白方健一コーチのプロフィール

Top GearRCの代表/ヘッドコーチ トップギアインターナショナル合同会社 代表社員 ロンドン五輪マラソン代表藤原新選手や吉田香織選手(北海道マラソン優勝)トレーニングパートナーの経験を持つ。自らもこれまでフルマラソン50回以上走りフルマラソンだけでなく、ウルトラマラソンやトレイルランにも挑戦している。東京を中心に神奈川、広島で2007年よりランニングクラブをスタートし、ランニングクリニックなどを含め年間のべ約2000名を指導する経験を持つ。

 

 

サブ4に必要な『カラダ』にまつわる3つの力

前回は「サブ4」を主テーマに『モノ』と題してシューズの話を中心にして頂きましたが、今回は『カラダ』です。

白方:一番大事!と言ってもいいかもしれませんね。順序立てて整理した方がわかりやすいと思うので、3つに分けてお話したいと思います。

3つって何ですか?

白方:1つ目はリカバリー力です。運動前のケアと運動後のケアを十分に、適切に行なっているか?という点です。2つ目はカラダのバランス力です。前後のバランス、左右のバランスのお話です。そして3つ目がコンディショニング力の話になります。

 

 

怪我の予防力を高める『リカバリー力』


では、最初のリカバリー力とは?

白方:「リカバリー力=故障予防力」と言い換えても良いのですが、多くは慢性疲労から怪我をして初めて気がつくんですよね、ちゃんとリカバリーしていなかったと。

リカバリーとは、ストレッチの有無ということですか?

白方:もちろんストレッチは一つの手段として効果的かもしれませんが、そんな単純な話でもなくて、見つめ直す必要があるのは睡眠・栄養・休養です。多くの場合、同じような練習で同じような体の使い方になるため継続的に負荷がかかってしまいます。

月間走行距離との関係はありますか?

白方:経験上ではありますが、月間200kmを超えてくると怪我をするランナーの割合も多くなりますね。これは月間200km以上は走りすぎという意味ではなく、実力、レベル、メニュー、運動前後のストレッチの有無、練習強度、疲労へのケアなど複合的に見たとき、偏っているランナーは月間200km前後で何らかの怪我の兆候が見られるということです。

日々のランニングライフではどのようにすると良いですか?

白方:誰でも出来て重要なのは血流を良くすることです。
ジョギングそのものが血流を良くすることではあるのですが疲労物質がたまってしまうと血流が悪くなり筋肉が硬くなります。まず湯船に15分以上浸かることをお勧めします。特に夜型のランナーの方は交感神経が優位になったままですと眠りが浅くなってしまいますから深呼吸なども行うといいですね。お風呂に長く浸かってられない方は湯船でふくらはぎのストレッチなどを行うと気が紛れて時間を稼ぐことができます。最近はEPAという魚の油の成分が血行を良くするということでアスリートは活用していますね。

練習メニューの中にもリカバリー力を向上させるものはあるのでしょうか?

白方:先ほどお伝えしたように、同じ動作で疲労してきている部分を見つけるためにもストレッチを行うと張っている部分にストレスがたまっていることがわかると思います。

緩やかなジョギングやストレッチを行っている時に自分のカラダの声を聞いて疲労度が強ければ腹八分の練習にする、筋膜リリースやストレッチの時間を確保するようにしましょう。具体的な練習メニューについては『モノ・カラダ・プラン』のプラン編でお話しますが、練習メニューに幅を持たせるを持つこともリカバリー力です。

カラダの声を聞けるランナーになることはレース本番でも活きますよね。

 
 

走りの効率を上げ、故障を予防する『バランス力』

2つ目の『バランス力』はどうでしょうか?

白方:トップランナーはもちろんですが、市民ランナーでもタイムが伸びている人を観察していると、身体のブレが少なくスーッと流れるように走っていることに気がつきます。身体のバランスが悪いとブレが起き、怪我をしやすくなりったり後半失速してしまいます。

身体のバランスって具体的にはどういうことでしょうか?

白方:実は3つありますが、ここではパフォーマンス面で重要な前後のブレ(矢状面と言います)と怪我の原因となる着地強度の左右差(水平面と言います)

それぞれ解説を聞きたいです!

白方:前後のバランスは普段の姿勢がそのままフォームに現れます。特に走ると傾向が強く現れます。立っている時は問題なくても走ると体幹・腹筋群の力が抜けやすかったり、お尻の筋肉を使えないため、腰の位置が落ちたり骨盤後傾、猫背などになりやすいランナーも要注意です。結果的に、足の筋肉に頼りがちになりフォームが崩れ後半にペースが落ちやすいですね。

前後のバランスを整える方法は何ですか?

白方:第一段階は姿勢を整え体幹を鍛えることです。速い人ほど前後のブレが少ないのが特徴で、ストレッチポールを使用した腹筋や、カーフレイズ(マット爪先立ちかかと上げ)といったワークアウトのほか、坂道を利用したヒルトレーニングもいいですよ!

左右のバランスはどうしたらいいですか?

白方:まず、履いているシューズの底を見比べてみてください。左右のソールの減り方が違う人は要注意です。

着地が左右バラバラということですね?

白方:そうです。人にはクセというものがあります。学生時代に痛めた古傷がある人もいるでしょうし、怪我につながる可能性が高くなります。さらに怪我をしている側をかばうと、反対側の筋肉ばかり使ってしまうため、さらにアンバランスになってしまいます。

それは悪循環だ!シューズのソールが片側だけ減る人は要注意ですね!

白方:左右の着地が乱れは改善したいところです。例えば、片足立ち状態での足上げトレーニングしたり、足首周囲をほぐすこと、アーチをリメイクするために短時間での裸足ランをするのも効果的です。

この前後左右のバランスとは、身体のブレの改善の話なのですね。

白方:そうなんです。そのブレを抑制するためにはバランス力を高めるトレーニングが必要です。サブ4するために、この前後左右のバランス力を磨いてもらいたいです。

 

カラダを整える『コンディショニング力』


3つ目の『コンディショニング力』はどうでしょうか?

白方:たくさん練習している人ほどコンディションを整える必要があります。そして適材適所、いつ何をするべきかを把握しておけば、まとまった時間が取れなくてもコンディショニングは可能になります。

SNSの発達もあって、周りが走っているのを見るとついつい頑張ってしまいますが、コンディショニング力を高めるにはどうしたらいいですか?

白方:客観的に自分を知るということに尽きます(笑)練習日誌やGPSウォッチなどのアプリケーションのログを月に1回は見直してみてください。

適度なトレーニング強度ってわからないんですよね

白方:オーバートレーニングの主原因は「やりすぎ」です。別の言い方をすると休足日が圧倒的に少ないことです。そのために蓄積疲労が溜まっていて回復が追いつかない状態なわけですが、レベルに合わない高強度の練習を重ね続けている人もオーバートレーニングに陥りやすいです。

確かに。自分のレベル、適切なメニュー選択、知識、いろんな要素から自分を高めていかないとですね。

白方:ここでは4つのコンディショニング要素とフォーム改善の秘訣をお伝えしようと思います。

お願いします。

白方:4つのコンディショニング要素とは

  1. 可動域を広げる

  2. 筋肉の柔軟性

  3. インナー(コア)

  4. アライメント

の4つです。


1.可動域を広げる

別名ダイナミックスストレッチとも呼ばれ、運動前に行う動的ストレッチを指します。ランニングでは、股関節、四頭筋や腸腰筋、ももの内側、もも裏のストレッチ、体幹筋のストレッチなどが挙げられます。代表的なものはレッグスイングといい脚を前後や左右に大きく振るストレッチです。最近はアクティブストレッチという名でも広まってきています。伸ばしたい筋肉の裏側に力を入れることでウォームアップにふさわしいストレッチを行うことができます。

2.筋肉の柔軟性

主に運動後に行う静的ストレッチを指します。筋肉を包み込んでいる筋膜の委縮・癒着を引き剥がすことで正常な状態に戻すとされる筋膜リリースもこの中に入ります。

3.インナー(コア)

いわゆる姿勢を維持するための体幹トレーニングです。上記にもあった前後のバランスと左右着地強度のバランスといった体幹周りの筋バランスを整えるもので、自宅でも出来るものとして、ストレッチポールを使用したり、マットの上で爪先立ちかかと上げ、片足立ち、足首周囲をほぐすなどがあります。これはルーティンで行うと良いでしょう。走る前でも大丈夫です。

4.アライメント

車好きには馴染みのある言葉かと思いますが、姿勢や体の歪み、不調を整え、トレーニング効果をより高いものにするものです。ストレッチポールを使って骨盤周りや股関節を整えたりするものが代表的なものです。これもルーティンで行いたいコンディショニングです。

フォーム改善の秘訣は何ですか?

白方:オススメなのは坂道を使ったヒルトレーニングです。動作効率を上げることを目的として、姿勢の矯正に有効なんです。

“坂道”と聞くと、心拍トレーニングのイメージがあるのですが?

白方:全力で坂道ダッシュをすると高強度の心拍トレーニングだけになってしまいますが、目線と姿勢を保って腿上げやスキップを数回行った後、少し余力を残した感じで走ってみてください。平地よりは高負荷がかかった坂道トレーニングでは、必然的に前傾姿勢になり、効率的な裏側の筋肉を刺激する走り方が“無意識に”身につくんです。

“無意識”ですか!?

白方:坂道トレーニングをするとキツいですよね。でも、その直後に1kmを走らせるとベストタイムを出すことがあるんです。身体はキツいはずなのに、目線と姿勢が矯正されて効率的な正しいフォームで走るんです。

ただ漠然と走るだけじゃなく、カラダを刺激しないといけないわけですね

白方:今回お伝えした3つの力は、歯ブラシする時のついでとか普段の生活の中に取りこむことができるんです。ぜひ、ルーティン化して日々の改善と調整に活かして欲しいですね!

 
 

まとめ

サブ4は走力をつけるだけではなく、自分のカラダを把握して、正しく整えてパフォーマンスを上げていく必要があるようです。あなたのリカバリー力、バランス力、コンディショニング力はどうでしょうか? 
時間のない人も、暑さで距離を踏めない人も、この夏のチェック項目に3つの力を取り入れてみては?
 次回は、サブ4するための『モノ・カラダ・プラン』の『プラン』です。白方さんによる実践的な練習プランとレースプランについてお伝えします。