マラソン大会の終盤でゴールまで走りきるためのコツ&正しいリタイアの方法

マラソン大会の終盤でゴールまで走りきるためのコツ&正しいリタイアの方法

マラソン大会の終盤でゴールまで走りきるためのコツ&正しいリタイアの方法

2017.05.01(最終更新:2023.08.22)

「35kmの壁」「足がパタッと止まった」これは、ランナーあるあるの代表格的な言葉です。そうならないための準備をすることは大切ですが、あと一息を頑張る時に走りを見つめ直すことと、どうしてもダメな時にリタイアすることも考えておく必要があります。


正しいフォームで疲れにくい走りをしよう

レースも終盤、残りわずかになってくると、疲労困憊状態で1kmすら遠く感じてくるランナーもいることでしょう。心の余裕もなくなり、身体は悲鳴を上げていると客観的に自分を見られなくなってしまうものです。

そんな時どうしますか? 最後は気合と根性だ!というのも大事ですが、フォームをチェックすることで疲れにくい走りが出来ます。 フォームチェックのポイントは4つあります。

・腕は振れているか
腕振りは推進力です。腕振りが小さくなると前へと進む力も落ちていきます。脚はしんどくても、腕はまだ元気かも。最後だからこそ腕をしっかり振って走りましょう。

・アゴは上がっていないか
アゴを上げるな!なんて言葉は小さい時からよく言われています。その理由はアゴが上がると気道が確保されず呼吸がしづらくなるからです。首の後ろを上に伸ばすようなイメージを持ってアゴの位置に気を配ってみてください。

・猫背になっていないか
腕が振れず、アゴが上がり、猫背になる…疲れてくると誰しもがそんな姿で走っています。特に背中が曲がってくるのが特徴です。姿勢が悪くなるとますます疲れやすくなります。しんどい時こそ猫背にならないと意識を集中させてみてください。

・腰は落ちていないか
腕が振れず、アゴが上がり、猫背の状態だとほぼ間違いなく腰が落ちます。フォームが乱れるとペースも遅くなり、しんどさも増していきます。まずは腰高をイメージして背筋を伸ばし、アゴを引いてみてください。視線を高くしてシャンとする感じです。その姿勢を維持すると疲れにくくなります。

 

 

リタイアしたい時はどうしたらいいの?

長距離を走っているとやめる理由が次から次へと湧いてきます。 悪魔の囁きとも言われる「やめる理由探し」はランナーなら誰しもが体験します。
団体スポーツでもなく、対戦相手がいるわけでもなく、得点競技でもないマラソンは、自分を見つめるスポーツですからランナーは常に自分と戦っています。つまり、やめるか続けるかも自分で判断する必要があります。
とても小さな出来事でもやめる理由に結びつけたり、逆に悪魔の囁きを追い払うために音楽を聴いたり、楽しいことを思い浮かべたりするランナーも多いことでしょう。でも、身体への負荷が高いマラソンに無理は禁物です。正しいやめ時とやめる場所を知っておきましょう。

リタイアは、リタイヤポイントと給水所でできます。
レース中にリタイアしたい場合、どこでやめても構いませんが大会規定には「リタイアポイント」と呼ばれる場所があり、リタイアすると大会側が用意した送迎バスが来てゴールまで送ってくれます。 そのリタイアポイントがどこにあるかはHPや要綱に記載されていますので、必ず事前にチェックしておいてください。またリタイアの申請は、最寄りの給水所でも可能です。

 

 

リタイアする勇気と正しいやめ方

リタイアは決して恥ずかしいことではありません。無理をして続けることで事態を悪化させるよりも賢明な判断である時があります。
以下の理由でも十分リタイアする理由になります。

・リタイアする理由①:モチベーションの低下
俗に言う「心が折れる」と呼ばれる状態です。気持ちが乗らない状態で走り続けても楽しくないでしょうし、修行のように追い込むことに理由を見出せない人もいることでしょう。そんな時、無理して走り続けなくても良いのです。レースは無くなりませんから。

・リタイアする理由②:ケガ
マラソンのような長距離走は身体への負荷が高いこともあり、足首、すね、膝、足の各種筋肉、股関節、骨盤や腰など、あらゆるケガを誘発します。学生時代の古傷が痛んでくる人もいるかもしれません。無理な判断がケガを悪化させることにもなりかねませんので、強く痛みを伴う場合は無理せずリタイアしましょう。

・リタイアする理由③:身体の変調
暑さ、寒さ、湿度、風など、様々な自然環境の中で行うスポーツである以上、身体の中が変調することはよくあります。倦怠感、頭痛、めまい、嘔吐、立ちくらみ、食欲低下、汗のかきかたがおかしい、体温が高い、皮ふを触ると熱い、まっすぐ歩けない、走っているのに体の震えが止まらない。このような症状が現れたら、一度立ち止まってみましょう。もしかしたら、熱中症、脱水症状、低体温症といった重篤な事態を招く前兆かもしれません。

 

 

まとめ

『ケガを抱えたまま走り続ける人生なんて楽しくないでしょ!』そう話してくれたのは、ケニア人プロランナーのサイラス・ジュイ選手でした。趣味で走っているはずが、走ることに追われ、ケガに悩まされがちなランニングライフを望んでいる人はいません。

 “やりすぎ”ていないだろうか、ちゃんと身体の声に耳を傾けているだろうか、適切に休息と回復を与えているだろうか、走ることでストレスを増やしていないだろうか。最近どうもランニングが楽しくないと感じている人は、立ち止まって考えてみてください。

 そして、2本の足を使って長い距離を走るランナーにとって、シューズは大切な親友のような間柄です。適切なシューズ寿命を知って、より良いランニングに活かしていきたいところです。